降圧薬(血圧の薬)を飲み忘れたら?対処法と自己判断でやめてはいけない理由【薬剤師解説】

降圧薬を飲み忘れてしまったとき、「今から飲んでいいのか」「次の分と一緒に飲んでもいいのか」と迷った経験はありませんか。

結論からお伝えすると、**まずは自分の薬が1日何回飲むタイプか、そして今が何時なのかを確認しましょう。**多くの場合は一般的な目安を参考にしてもらって構いませんが、薬によってはその回の服用を中止すべきものもあるため、心配なときはかかりつけ薬剤師に相談してください。そして、2回分をまとめて飲むことは絶対に避けてください。

そして、この記事で一番お伝えしたいのは、「1回うっかり飲み忘れること」と「面倒だから・症状がないからと自己判断で薬をやめてしまうこと」はまったく別の問題だという点です。後者は血圧の急上昇などのリスクにつながりかねません。


目次

1. まず確認:1日何回飲む薬か、今は何時か

降圧薬にはたくさんの種類があり、1日1回で済むものもあれば、1日2回、3回飲むタイプのものもあります。飲み忘れに気づいたら、まず自分の薬が1日何回飲むタイプなのかを確認しましょう。そして次に、「今が何時なのか」を確認します。たとえば朝飲むはずだった薬なら、気づいたのがお昼なのか、夜なのかによって対応の目安が変わってきます。

大体の降圧薬であれば、次のような一般的な目安を参考にしてもらって構いません(武田薬品工業の患者向けページより)。

服用回数飲み忘れに気づいたときの目安
1日1回(朝食後など)寝るまでに気づいたら服用する
1日2回(朝食後・夕食後)朝食後分は昼〜夕方までに、夕食後分は就寝前までに服用する
1日3回気づいたタイミングに応じて服用するか、次の分まで待つ

(出典:武田薬品工業株式会社「お薬を飲み忘れた時はどうすればいいのですか?」)

ただし、**薬によっては、その回の服用を中止(スキップ)したほうがよいものもあります。**一般的な目安がすべての薬に当てはまるわけではないため、自己判断だけに頼らず、心配なときはかかりつけ薬剤師に相談することをおすすめします。

そして、どんな場合であっても、くれぐれも2回分を一度に服用しないでください。


2. 「1回の飲み忘れ」と「自己判断での服薬中断」はまったく別問題

代表的な降圧薬であるアムロジピン(Ca拮抗薬)のくすりのしおりには、飲み忘れの対応に続けてこう書かれています。

「医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください」

これは非常に大切な一文です。うっかり1回飲み忘れることと、「なんとなく調子がいいから」「面倒だから」と自分の判断で薬をやめてしまうことは、まったく別の問題です。

降圧薬の中には、急に服薬をやめることでかえって血圧が上昇する「反跳性高血圧」が知られている薬もあります。たとえば中枢性に作用するタイプの降圧薬(クロニジン等)では、この現象が医学文献に明記されています(出典:MSDマニュアル プロフェッショナル版「高血圧に対する薬剤」)。

誤解しないでいただきたいのですが、**「1回うっかり忘れただけで、すぐにこうした反応が起こる」というわけではありません。**問題になりやすいのは、数日〜長期間にわたって自己判断で服薬をやめてしまうケースです。だからこそ、「やめたい」「合わない気がする」と感じたときこそ、自己判断せずまず相談してほしいのです。


3. 飲み忘れが積み重なるとどうなるか

1回の飲み忘れがただちに大きな問題になることは多くありません。しかし、飲み忘れが積み重なって血圧が高い状態が続くと、長期的には脳卒中や心不全などのリスクが上がる可能性があります。

飲み忘れそのものを防ぐ工夫(お薬カレンダーやアラームの活用など)については、薬を飲み忘れたときの基本ルールでまとめて紹介しています。あわせてご覧ください。


4. こんなときは自己判断せず相談・受診を

  • 2回分以上をまとめて服用してしまった場合
  • 飲み忘れが続いて血圧が高い状態が続いている場合
  • めまい・動悸など気になる症状がある場合
  • 副作用や「合わない」と感じて、自分の判断でやめたくなった場合

いずれも自己判断せず、まずは主治医・薬剤師に相談してください。

よくある質問

Q. 降圧薬を飲み忘れて、次の分と一緒に2回分飲んでしまいました。大丈夫でしょうか? 
A. 血圧が下がりすぎるなどの症状が出ることがあります。めまいやふらつきなど気になる症状があれば、自己判断せず速やかに医師・薬剤師に連絡してください。症状がなくても、念のため相談しておくと安心です。

Q. 降圧薬はいつまで飲み続ける必要がありますか? 
A. 生活習慣の改善によって血圧が安定し、医師の判断で減量・中止できるケースもあります。ただし自己判断でのコントロールは危険なため、必ず主治医に相談してください。


まとめ

  • まず自分の薬が1日何回飲むタイプか、今が何時なのかを確認する
  • 一般的な目安は「気づいたら服用、次が近ければスキップ、2回分は厳禁」だが、薬によっては中止が必要なものもあるため心配なら薬剤師に相談する
  • 1回の飲み忘れより怖いのは、自己判断で薬をやめてしまうこと
  • 気になる症状があれば、自己判断せず主治医・薬剤師に相談する

出典

最終更新日: 2026年8月25日

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