インスリンの打ち忘れ、どう対応する?食事用・持効型タイプ別に解説

インスリン注射を打ち忘れてしまったとき、「今から打っていいのか」「次の分と一緒に多めに打つべきか」と迷う方は少なくありません。

結論からお伝えすると、**対応は使っているインスリンの種類(食事用か基礎か)と、気づいたタイミングによって異なります。**共通する原則は「2回分をまとめて注射しない」こと。迷ったときは、注射しないという選択が安全とされており、自己判断が難しい場合は主治医に連絡してください。

【本記事は神戸きしだクリニック(院長:岸田雄治医師)の解説記事を主な参考にまとめています】


目次

1. まず知っておきたい:インスリンには「食事用」と「基礎」がある

インスリンには、食事に合わせて打つ「食事用(速効型)」と、1日の血糖値のベースを支える「基礎(持効型)」があります。この2つは役割が違うため、打ち忘れたときの考え方も分けて理解しておく必要があります。


2. 食事用(速効型)インスリンを打ち忘れたら

  • 食事中〜食直後に気づいた場合は、すぐに注射します(食事量が少ない場合は、低血糖を防ぐために単位数を減らす調整が必要になることもあります)
  • 食後、時間がかなり経ってから気づいた場合は、その回の注射は行わず、次の食事前の注射から通常通り再開します

(出典:神戸きしだクリニック「インスリン注射を打ち忘れたらどうする?」)


3. 基礎(持効型)インスリンを打ち忘れたら

  • 気づいたタイミングが本来の注射時間から近ければ、気づいた時点で注射します(食事用と同様、状況により単位数の調整を考慮することもあります)
  • 次の注射時間が近い場合は、その回はスキップし、次の注射から通常通り再開します

(出典:同上)


4. 絶対にやってはいけないこと

2回分をまとめて注射することは、絶対に避けてください。重篤な低血糖を引き起こし、命に関わる危険があります。

「打ち忘れたから、次はいつもより多めに」という自己判断も危険です。迷ったときは「打たない」を選び、主治医に連絡するのが安全な対応です。


5. 治療を始めるときに主治医に確認しておきたいこと

インスリンは製品ごとに作用時間や特徴が細かく異なり、患者さんごとの治療方針によっても対応が変わります。そのため、インスリン治療を始める際に、「打ち忘れたときはどうすればいいか」をあらかじめ主治医と決めておくことをおすすめします。事前に確認しておくことで、いざというときに落ち着いて対応できます。


6. こんなときはすぐに医療機関へ

  • 2回分をまとめて注射してしまった場合
  • 低血糖症状(冷や汗・動悸・手の震え・意識がもうろうとする等)が出た場合 → 糖分を摂取したうえで速やかに医療機関へ連絡・受診してください
  • 対応に迷い、自己判断が難しい場合

よくある質問

Q. 外出先でインスリンを打ち忘れたことに気づきました。どうすればいいですか? 
A. 使っているインスリンの種類と、気づいたタイミングによって対応が異なります。本記事の2〜3章を参考にしつつ、迷う場合は自己判断せず主治医に連絡してください。

Q. 打ち忘れが続いてしまいます。どうすればいいですか? 
A. 打ち忘れが頻繁に続く場合は、注射のタイミングやデバイスの見直しができることもあります。自己判断で対応を変えず、主治医・薬剤師に相談してください。


まとめ

  • インスリンの種類(食事用・基礎)によって打ち忘れ時の対応が異なる
  • 2回分はまとめて打たない、迷ったら打たない
  • 治療開始時に主治医と対応を決めておくと安心
  • 低血糖症状が出たら、糖分摂取のうえ速やかに医療機関へ


出典

最終更新日: 2026年8月25日

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